地下水問題に関する調査検討
工事に伴い、地下水の流れが変化したり、地下水位が低下することがあります。工事による影響を把握するためには、地下水位等の観測や降水量等の気象データをもとに定性的に検討することが基本ですが、定量的な把握や事前の影響予測等には数値解析手法が有効となります。
<タンクモデルを用いた影響判定例>
長期間にわたる工事を行う場合は、工事中に異常渇水年に遭遇することがあります。その場合に、観測データが工事による影響を示しているのか、異常渇水によるものなのかを定量的に判断するためには、タンクモデル等の水収支解析を行うのが有効です。
<被圧地下水による盤ぶくれ例>
地盤面より10m程度の掘削底面付近に粘性土が2~3m分布し、以深に被圧された砂質地盤が厚く分布している地盤で、盤ぶくれを生じたものです。ここでは、SMW工法による遮水性土留が施工されていましたが、浸透流解析結果をもとにディープウェル工法により掘削底面下の被圧地下水位を低下させる補助工法を追加しました。