地表地質踏査
ボーリング調査
ボーリング調査は地質・土質調査で最も多用される基本的な調査です。地下を構成する土層や岩盤を直接観察して土質名や岩石名等を判定することに加えて、標準貫入試験を含む様々な原位置試験や孔内検層を併用して構成地盤の性状を詳細に把握します。
上段写真に示すように山岳地や海上等の調査対象地によってボーリングマシンの 足場形式は異なります。
上段写真に示すように山岳地や海上等の調査対象地によってボーリングマシンの 足場形式は異なります。
エレフット(簡易支持力試験機)
エレフットは載荷試験の一種で、国土交通省の新技術情報提供システム (NETIS)に登録された新技術です。
通常の平板載荷試験では大型重機等を反力とし、5時間程度の試験時間を要します。
エレフットは、人の体重を反力とし、試験時間も1ヵ所につき30分程度と短いため、安価で多地点の調査が可能です。また、重機の搬入不能な狭隘な場所でも実施することができます。ただし、エレフットでの載荷板直径は小さい(最大50mm)ため、深い深度までの影響を考慮した地耐力調査には不向きです。
キャスポル(簡易支持力測定器)
キャスポルは国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録された新技術で、加速度計を内蔵したランマーが地盤に衝突した際に得られる「衝撃加速度(la値)」と地盤定数との相関関係を利用し、CBR、粘着力(C)、内部摩擦角(Φ)、コーン指数(qc)、地盤反力係数(K30)などの測定が可能です。
また、キャスポルで測定される粘着力(C)や内部摩擦角(Φ)の値を使って、地盤の支持力を算定することもできます。
ただし、キャスポルで得られた測定データは地表面から20~30cm程度までの地盤状態しか反映していないことに注意が必要です。
また、キャスポルで測定される粘着力(C)や内部摩擦角(Φ)の値を使って、地盤の支持力を算定することもできます。
ただし、キャスポルで得られた測定データは地表面から20~30cm程度までの地盤状態しか反映していないことに注意が必要です。
土層強度検査棒(土検棒)
近年、表層崩壊が生じる危険箇所は、表土の深さや強度を詳細に調査すれば絞り込むことができることがわかってきました。
「土層強度検査棒」(土検棒)は荷重計(パネばかり)と通常コーン(円錐コーン)を取り付けて人力で押し込むことにより、短時間で表土の深さ、貫入抵抗値、換算N値、簡易動的コーン貫入試験のNd値等を測定できるポータブルな静的貫入試験器です。また、羽根つき先端コー ンを取り付けて、垂直荷重と回転トルクを測定すること(ベーンコーンせん断試験)で、粘着力Cと内部摩擦角中Φを短時間で推定することができます。
「土層強度検査棒」(土検棒)は荷重計(パネばかり)と通常コーン(円錐コーン)を取り付けて人力で押し込むことにより、短時間で表土の深さ、貫入抵抗値、換算N値、簡易動的コーン貫入試験のNd値等を測定できるポータブルな静的貫入試験器です。また、羽根つき先端コー ンを取り付けて、垂直荷重と回転トルクを測定すること(ベーンコーンせん断試験)で、粘着力Cと内部摩擦角中Φを短時間で推定することができます。
中型動的コーン貫入試験(ミニラム)
(1)N値とNmd値との相関性が比較的良いこと(概ねNmd値/2=N値の関係がある)。
(2)他のサウンディング試験では貫入できない相当な硬さを持つ地盤
(N値30以上の風化岩や砂礫地盤など)でも貫入できること。
(3)油圧ユニットと専用サンプラーにより試料の採取が可能であること。
(2)他のサウンディング試験では貫入できない相当な硬さを持つ地盤
(N値30以上の風化岩や砂礫地盤など)でも貫入できること。
(3)油圧ユニットと専用サンプラーにより試料の採取が可能であること。
図-1 中型動的コーン貫入試験機(ミニラム・サウンディング)
室内土質試験
室内土質試験は、調査地の地盤の物理特性・力学特性等を把握するために行います。
物理試験は、土を分類・判別したり、土の状態を表わす基本的値を把握するための試験です。一般的物理特性値は
物理試験は、土を分類・判別したり、土の状態を表わす基本的値を把握するための試験です。一般的物理特性値は
表-1に示すとおりです。
表-1 一般的な物理特性値
土粒子の密度 | 土粒子の密度は、土の鉱物組成により異なり、密度の高い鉱物を含んでいるほど高くなり、有機物を多く含む土ほど低い値を示す。一般の土は2.6~2.8g/cm3程度の値を示す。 |
自然含水比 | 自然含水比は、土の圧縮性や強度特性などと関係が高く、含水比が高ければ強度が小さく圧縮性が大きいことが予想できる。一般に、礫質土は10%程度、砂質土は10~30%程度、粘性土は30%以上の値を示すことが多い。 |
粒度試験 | 粒度試験は、土を分類する際の基本的試験であり、その結果を利用して土を、礫質土・砂質土・粘性土などと定性的に分類することができる。 |
液性・塑性限界試験 | 液性・塑性限界試験は、土の力学的性質と深く関連しており、土の現在の状態(安定度など)を把握できる。液性限界が大きい土は圧縮性が大きいことが、また塑性指数が大きい土は粘性が大きいことが予想できる。 |
湿潤密度 | 湿潤密度は、土の組成状態により異なり、一般に、粘性土は1.6g/cm3程度、砂質土は1.8g/cm3程度、礫質土は2.0g/cm3程度の値を示す。 |
一方、力学試験は地盤の破壊問題、沈下問題、地下水問題、締固め問題等を検討する際に基本となる設計採用値を把握するための試験です。
一般的には、ボーリング調査等により乱れの少ない試料を原位置で採取し、その試料を対象に各目的に応じた試験を行います。
一般的には、ボーリング調査等により乱れの少ない試料を原位置で採取し、その試料を対象に各目的に応じた試験を行います。
高密度電気探査
電気探査は、人工的に外部から地盤に電流を流し、このとき発生した電位分布より比抵抗を求めて地盤状況を把握する物理探査手法です。
探査方式には水平探査、垂直探査、二次元探査等がありますが、現在は二次元探査が主流となっており、高密度電気探査(比抵抗映像法)と呼ばれています。
地盤の比抵抗は、電気を通しやすい鉱物(粘土鉱物など)の含有量、間隙率、水分含有量・飽和度、間隙水の水質(比抵抗)、温度といった多くの要因に左右されます。例えば同一の岩相の花崗岩では、水で飽和した岩盤では割れ目の多さが水分の含有量、ひいては比抵抗に影響するので、比抵抗の高低が岩盤の良否とよく対応しています。
このように高密度電気探査は水が問題となるトンネル・長大切土・地すべりの調査や水源探査等に用いられています。
探査方式には水平探査、垂直探査、二次元探査等がありますが、現在は二次元探査が主流となっており、高密度電気探査(比抵抗映像法)と呼ばれています。
地盤の比抵抗は、電気を通しやすい鉱物(粘土鉱物など)の含有量、間隙率、水分含有量・飽和度、間隙水の水質(比抵抗)、温度といった多くの要因に左右されます。例えば同一の岩相の花崗岩では、水で飽和した岩盤では割れ目の多さが水分の含有量、ひいては比抵抗に影響するので、比抵抗の高低が岩盤の良否とよく対応しています。
このように高密度電気探査は水が問題となるトンネル・長大切土・地すべりの調査や水源探査等に用いられています。
弾性波探査
弾性波探査は、岩石の動弾性的性質の差異によって弾性波の伝播速度が異なることを利用して、地下に分布する地層を速度によって判別するものです。弾性波探査によって地下構造が推定され、基盤岩までの深さ、岩質・硬軟・風化・亀裂の発達程度などの判別に有効で、土木工事の地質調査に適用されます。なお、弾性波探査は地震探査ともいわれ、大別して屈折法と反射法とに分けられますが、土木地質の調査にはもっぱら屈折法が用いられています。
弾性波は、通常、発破点として設定した地点の地下約1.0mに適量のダイナマイトを装填し、電気雷管により起爆させることで発生させます。測定は、5m間隔に設定した測点に地震計を最大24個設置し(これを展開と言いいます)、各地震計を観測線で測定器と連結することで行います。
発破により得られた受振波形の記録が良好であれば、移動して次の展開に移ります。この作業を順次繰り返して各発破点からの受振波形をそれぞれ記録し、観測線の測定作業を終了します。
弾性波は、通常、発破点として設定した地点の地下約1.0mに適量のダイナマイトを装填し、電気雷管により起爆させることで発生させます。測定は、5m間隔に設定した測点に地震計を最大24個設置し(これを展開と言いいます)、各地震計を観測線で測定器と連結することで行います。
発破により得られた受振波形の記録が良好であれば、移動して次の展開に移ります。この作業を順次繰り返して各発破点からの受振波形をそれぞれ記録し、観測線の測定作業を終了します。
写真-1 弾性波探査実施状況
弾性波探査トモグラフィー
弾性波トモグラフィーとは、医療診断に使われているX線によるCTスキャナーの原理を応用した物理探査手法で、ボーリングおよび地表面を利用し、調査断面内の弾性波速度の二次元分布図が作成できます。
その方法は、探査対象領域を間隔の狭い格子で区切り、その領域を取り囲むようにできるだけ多数の起振点と受振点とを広く分布させておき(通常はコの字配列やπ字配列)、あらゆる方向に通過する多数の観測走時データを取得します。そして、取得データに基づく最適化自動処理及び速度分布に基づく波線追跡を行い、各格子の速度を求めて速度分布図を作成します。
この速度分布図を他のボーリング調査結果や原位置試験結果等と照合して、総合的な地質構造の判定や構造物の劣化診断評価等を行います。
その方法は、探査対象領域を間隔の狭い格子で区切り、その領域を取り囲むようにできるだけ多数の起振点と受振点とを広く分布させておき(通常はコの字配列やπ字配列)、あらゆる方向に通過する多数の観測走時データを取得します。そして、取得データに基づく最適化自動処理及び速度分布に基づく波線追跡を行い、各格子の速度を求めて速度分布図を作成します。
この速度分布図を他のボーリング調査結果や原位置試験結果等と照合して、総合的な地質構造の判定や構造物の劣化診断評価等を行います。
平板載荷試験
平板載荷試験は、載荷板の荷重沈下曲線から地盤反力係数や極限支持力などの地盤の支持特性を求めることを目的とした試験方法です。 平板載荷試験から求まる地盤の支持特性は基礎の設計に対して重要な資料となります。
ただし、平板載荷試験結果に影響する地盤の範囲は、深さ方向に対して載荷板の直径の1.5~2.0倍程度(直径30cmの載荷板では、深さ45cm~60cm)であり、 実構造物基礎の寸法は、載荷板の寸法より大きいことが多く、その支持特性に影響する深さは、載荷試験の場合に比較して大きくなりがちです。
したがって、載荷試験の結果を基礎の設計等に利用する場合は、このような寸法の違いによる支持特性への影響を十分に考慮して行う必要があります。
ただし、平板載荷試験結果に影響する地盤の範囲は、深さ方向に対して載荷板の直径の1.5~2.0倍程度(直径30cmの載荷板では、深さ45cm~60cm)であり、 実構造物基礎の寸法は、載荷板の寸法より大きいことが多く、その支持特性に影響する深さは、載荷試験の場合に比較して大きくなりがちです。
したがって、載荷試験の結果を基礎の設計等に利用する場合は、このような寸法の違いによる支持特性への影響を十分に考慮して行う必要があります。
平板載荷試験状況
VLF探査
VLFとは、Very Low Frequencyの略で、電磁波のうち周波数が3KHz~30KHzの帯域の超長波ものを指します。VLF探査は、潜水艦等との通信用に設けられた大電力の送信局から放射されるVLF電波を利用して基盤内の異常帯(断層等)を探査する受動方式の電磁探査法です。
日本国内で信号の受信が可能なVLF送信局は、宮崎県えびの市、ハワイのNPM局、およびオーストラリアのNWC局の3局であり、探査測線方向と高角度方向の基地局を選定します。VLF探査は、岩盤裂陣水を対象とした地下水水源調査に用いられることが多く、下図のように測定で求まった傾斜角θの極大・極小の間を異常帯とし、他の物理探査(電気探査等)結果と照合して適切な水源候補地を選定します。
日本国内で信号の受信が可能なVLF送信局は、宮崎県えびの市、ハワイのNPM局、およびオーストラリアのNWC局の3局であり、探査測線方向と高角度方向の基地局を選定します。VLF探査は、岩盤裂陣水を対象とした地下水水源調査に用いられることが多く、下図のように測定で求まった傾斜角θの極大・極小の間を異常帯とし、他の物理探査(電気探査等)結果と照合して適切な水源候補地を選定します。
探査結果例
水源調査
水源調査から井戸工事まで一貫して行います。水源調査の方法は、地形判読や現地踏査、電気探査やVLF電磁波探査など様々な方法があります。 地形判読とは、空中写真や地形図を用いてリニアメントや河川段丘など水源に関係がある地形を判読するものです。 リニアメントとは、地質構造を反映した大規模な線状地形で基盤岩中に破砕帯の存在を推定させるものであり、裂カ水等を有する可能性があります。 また、河川段丘の堆積物は一般的には砂礫が主体であり、砂礫層は帯水層である可能性があります。
左下の図は、地形判読によってリニアメントを抽出し、水源候補地点を選定した例です。
左下の図は、地形判読によってリニアメントを抽出し、水源候補地点を選定した例です。
また、現地踏査では地形判読結果の確認を行います。地表地質踏査を行い、周辺の地質状況を把握するともに、いわゆる水露頭(湧水等)を確認します。その他にも電気探査やVLF電磁波探査などの物理探査により、帯水層や岩盤裂カ水を探査します。これらの調査結果により水源候補地点を選定し、ボーリング等により井戸掘削工事を行います。
右上の写真は、井戸掘削工事の状況です。
また、井戸掘削後は孔内洗浄を行います。孔内洗浄後は揚水試験を行い、井戸の揚水量を把握します。 揚水試験後は水質試験を行い、水質の確認・管理まで一貫して行います。
右上の写真は、井戸掘削工事の状況です。
また、井戸掘削後は孔内洗浄を行います。孔内洗浄後は揚水試験を行い、井戸の揚水量を把握します。 揚水試験後は水質試験を行い、水質の確認・管理まで一貫して行います。
PDC(ピエゾドライブコーン)試験
PDC(ピエゾ・ドライブ・コーン)試験は、地盤の間隙水圧を動的貫入試験によって測定することで、原位置試験のみで地盤の液状化強度の評価を可能とした地盤調査技術です(※NETIS TH-100032-VR)。PDCでは、貫入抵抗値Nd値(換算N値)だけでなく、「打撃時に発生する残留間隙水圧比」、「残留間隙水圧比と細粒分含有率Fcの関係」から1打撃毎の細粒分含有率Fcを推定し、得られたNd値、Fc等から液状化強度を評価します。従来の調査と比較して、安価で工期も短いため、複数以上の箇所で実施することで、地震時における地盤の液状化範囲の絞り込みを経済的に行うことができます。
ソイルキャッチャー・地下水チェイサー
常時微動測定
地盤は地震がなくても常に揺れており、人間には感じない微細な振動のことを常時微動と言います。常時微動の発生源としては、自然現象(風雨・波浪・火山活動など)や人工的な振動(交通機関・工場・工事など)があります。常時微動の観測・解析結果は次のようなことに利用されます。
①地盤の揺れ易さや地盤種別の判定:一般に、軟弱な地層が厚いほど水平方向の揺れが大きく、揺れの周期が長くなります。また、測定した卓越(固有)周期から、地盤種別(I種、II種、II種)の判別が行えます。
②表層地盤増幅率の算定:ボーリング孔を利用した常時微動測定を併用すると、地盤の増幅率が求められます。
③地盤構造の推定:複数台による同時測定(微動アレイ探査)を行えば、S波速度による地盤構造が推定できます。
地中音探査
地中音探査は、測線上に1~2mピッチで探音点を設置し、各探音点で地下を流れる水の微小な音を探ることにより地下水流が大きな地点や漏水地点を探る調査です。
測定機器はポータブルで、特殊な機器やソフトウェアを用いないため測定は容易です。最近は山腹斜面の崩壊対策としての「水みち」調査としてよく利用されています。
測定機器はポータブルで、特殊な機器やソフトウェアを用いないため測定は容易です。最近は山腹斜面の崩壊対策としての「水みち」調査としてよく利用されています。
サスペンションPS検層
PS検層は、ポーリング孔を利用して地盤内を伝播する弾性波(P波・S波)の深さ方向の速度分布を測定するもので、その結果と湿潤密度から耐震設計や地震時応答解析に用いる地盤のモデル化に必要となる動的弾性係数、ポアソン比、剛性率等を求めるために行います。
PS検層の測定方法には孔口付近で起振を行う「ダウンホール方式」と、孔内で起振する「孔内起振受振方式(サスペンション方式)」 があります。
弊社では、ダウンホール法と比較して精度の高い測定ができるサスペンション方式を採用していますが、孔内に水が無いと測定できないという欠点があります。
PS検層の測定方法には孔口付近で起振を行う「ダウンホール方式」と、孔内で起振する「孔内起振受振方式(サスペンション方式)」 があります。
弊社では、ダウンホール法と比較して精度の高い測定ができるサスペンション方式を採用していますが、孔内に水が無いと測定できないという欠点があります。
孔内傾斜計観測
孔内傾斜計観測では、まず地すべり調査で実施されたポーリング孔内に案内溝を有した専用のケーシングパイプを建込みます。
その中に車輪間隔 50cm のプローブを挿入して定期的に観測することにより経時的な地盤変位量や地すべり方向を把握します。また、 地すべり対策工を検討するうえで最も重要なすべり面の特定を行います。










